前回に引き続き、大手3キャリアのau・ソフトバンクの経済圏がどのくらいの規で展開されているのか?
今後、どの様な戦略で展開していくのか?まとめました。
前回:ドコモ・au・ソフトバンクの経済圏は楽天経済圏を越えることが出来るのか
auの経済圏の方向性
2019年3月中期計画
「ライフデザイン企業への変革を目指す」
格安スマホ(MVNO)非通信事業者による参入とシェアの増加
au回線のMVNO事業者シェアの拡大
主なMVNO事業者
- UQモバイル
- J:COM モバイル
- BIG LOBE
世界IoT市場への拡大
auは日本ではなく世界を視野に考えている
日本14兆円→世界247兆円
IoT市場
現在進行中のIoT市場は以下の産業に注目が集まっている
自動車 | 農業機械 | 工作機械 | 産業機械 |
ビル設備 | 物流機器 | 建設機器 | エネルギー設備 |
au経済圏
「通信とライフデザインの融合」とは
お客様と通信で繋がり、体験価値を高めて行く
- 金融
- エンターテイメント
- 教育
- エネルギー
- コマース
- ヘルスケア
2018.3期au経済圏流通総額
1.28兆円→1.89兆円に増加(売上高5,600億円)
au経済圏の動向
オフラインの決済手段の導入により、決済手数料収入の拡大
au Wallet
クレジットカード(2018年3月有効発行数120万枚増加)
物販・エネルギー
Wowma!(3,000店舗)
auでんき(walletポイント還元)
〜4,999円 | 1% |
〜7,999円 | 3% |
8,000円〜 | 5% |
教育
教材/生徒/教師の連携をIT化→学習効果の最大化
グローバル事業
ミヤンマー通信事業
モンゴル通信事業
株主優待制度・還元
スマホ主導の経済圏の構築の3M戦略
3M戦略とは「マルチネットワーク」「マルチディバイス」「マルチユース」の頭文字の「M」を取った戦略で以下のような流れで構築している
ステップ1:「経済圏の基盤作り」マルチネットワーク
固定と携帯の同時契約によって通信料が割引かれる「auスマートバリュー」を皮切りに、有料アプリで割引クーポンの利用など様々なサービスが受けられるサブスクリプション型サービス「auスマートパス」で、auの多彩なサービスを有料で提供し、基盤作りを行っている
ステップ2:「決済方法の仕組み作り」マルチデバイス
プリペイド方式の電子マネー「au WALLET」オフライン決済を可能にした。次に「au WALLETポイント」との連携によりメリットを付加。
オンラインショッピング「au WALLET Market」での利用を促進した。
ステップ3:「ユーザーの生活へ深く関わりを持つ」マルチユース
auは顧客基盤が安定してきた為、次なる戦略は、電力や住宅ローン、保険などをまとめて提供する「auライフデザイン」を提案。
auユーザーの生活に関連するサービスをauで取りまとめて提供することにより、顧客単価を高めている
「スマートマネー構想」強化
auは「通信・金融・決済の融合」のスマートマネー構想を唱え、K D D Iグループ内に金融サービス「auフィナンシャルホールディングス」を開設した。これによりキャッシュレス決済などのお金の動きをコントロールすることにより、au経済圏の土台を構築している
auフィナンシャルホールディングス
- auじぶん銀行(銀行)
三菱UFJ銀行との出資比率63.78%連結子会社化
- (KDDI) auフィナンシャルサービス(決済)
- ウェブマネー(決済)「au Pay」
- KDDIアセットマネジメント(投資運用)
- KDDI Reinsurance(再保険)
- (カブドットコム)auカブコム証券
「公開買付により子会社化」
- au損保(損害保険)
au WALLET構想(キャッシュレス化)
スローガン「グッバイ・おサイフ!」
au WALLET会員2,000万全てが決済用口座を所有
2008年:じぶん銀行
2010年auかんたん決済
2014年au WALLET
2016年au生命ほけん/au損害ほけん/auローン
2018年au iDeCo
2019年4月au Pay 開始(スマホ決済全体で100万店舗対応予定)
auは他社を気にしていない?楽天と協争!
KDDIの通信事業で楽天モバイルと強い関係を持っている。楽天は2026年3月末までの期間KDDIの通信設備を利用することで、第4キャリアとして事業参入を予定しています。この提携にあたりKDDIのメリットは「楽天の物流や金融事業」を活用できることです。これによりKDDIは自社サービスの「au Pay」のスタートが遅れてしまったが、「楽天Pay」の提携店舗で使用が順次可能になり、「Wowma!」では「楽天Express(集荷配達サービス)」を利用し、物流配送が強化される。
- au → au経済圏の強化
- 楽天 → 通信ネットワークの強化
この事により、au経済圏の構想は「協争」と言う形で拡大しています。
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