SIMカードって何?
「SIMカード」と呼ばれる携帯電話に内蔵されている小さなチップのことを知っていますか?今回はSIMカードがどういう仕組みになっているのか説明していきます
SIMカードはいつ発明されたの?
まず始めに「SIM」というのが何の略なのか疑問に思ったことがありませんか?
それは「加入者識別モジュール」という意味です
世界初の SIMカードは1991年にドイツの「ギーゼッケ・アンド・デブリエント」によって開発され、フィンランドの無線通信事業者である現在の「Elisa(エリサ)」によって300枚購入されました。そして、1992年にはSIMカードが内蔵された初めてのGSM方式の携帯電話である「ノキア1101」が発売されました。
今では世界中で70億以上のガジェットが電話をかけたり SMS を送ったりweb サイトを閲覧したりするために使用しているので SIMカードを一度も使ったことがない人はほとんどいません。
専門家によるとこのガジェットの数は近いうちに200億に達すると予測されています
未だに欧州電気通信標準化機構略して「ETSI(エッツィ)」が最も多くのSIMの特許を保有していますが他の民間の電話会社もSIMの機能のおかげでいくつかの重要な特許取得しています
SIMカードの世界最大の製造会社はアムステルダムに本社あり1万5000人の従業員がいる「ジェムアルト社」では現在5 Gネットワークに向けてのSIMの大量生産に取り組んでいます
SIMカードの製造コスト
初期の SIMカードの製造にはSIM1枚あたり約120円以上のコストがかかっていましたが、現在では1枚あたり数円しかかからないようです。その価格には設計・開発・プラスチックのカードへのチップの挿入や出荷などの費用は含まれてはいません
なぜ SIMカードが必要なのか
SIMカードには所属するモバイルネットワークなど固有の識別情報が保存されておりそれは「IMSI( 国際移動体加入者識別番号)」と呼ばれています
電話番号とガジェットはこの固有のIDによって結び付けられており、そのことにより誰かがあなたの番号に電話した際に、携帯電話につながるようになっているのです
SIMカードにもメモリーがある
SIMにも独自のメモリーがあり小さいものでは64キロバイトのものがあります
それはおよそ250人の連絡先といくつかの SMS を保存することができるほどのものです。
ちなみに最初の月面着陸の際に使用されたアポロのガイダンスコンピューターのメモリーのサイズもこれと同じです
SIMカードのロック解除
SIMカードのロックが解除されている場合には取り外しができるので別の携帯電話でも使用することができます
これはSIMを挿入することにより他の携帯電話でもあなたの番号を使えるということになるので自分の携帯の電池が切れてしまっているときに便利です
SIMカードがなくても携帯は機能するのか
厳密に言えばカメラとして使用したり wi-fi に接続するためのデバイスとしてだったら使用することができますが、電話をかけたり SMS を使用することはできません
ほとんどの携帯電話に取って SIMカードがないガジェットは能のない人間のようなものなのです。
SIMカードがあればスマホが壊れても電話番号は大丈夫
携帯電話のスクリーンが割れてしまったり、ケーシングが曲がってしまったりした場合などでも SIMカードさえ無事なら同じ電話番号を使用し続けることができます。
SIMカードはどのように機能するのか?
SIMカードは基本的に小さなプラスチックのような見かけをしていて「マイクロコントローラー」と呼ばれるさらに小さなチップが埋め込まれています。チップはシリコン製で本体との接触部分は金属でメッキ加工されています。チップにはプロセッサーとメモリ、そしてセキュリティ回路が内蔵されています。
SIMを挿入したデバイスは?
モバイルデバイスはSIMが挿入されるとチップを読み取るようになっており、内蔵されているカードのためのオペレーティングシステムにより基本的な計算や重要な情報を保存したりすることができます。この情報は製造過程でチップに書き込まれ、その最も基本的な情報は「国際移動体加入者識別番号」と「 キーID」 と呼ばれる128ビットのキーです
これは基本的には携帯電話の上での「ログイン名」と「パスワード」です
携帯電話からネットワークへ送信されるすべてのメッセージは「暗号化」されています
メッセージを暗号化し解読するためのキーもSIMカードに保存されており、そのことにより通信のプライバシーが保護されるのです
SIMカードチップには「カード固有のシリアルナンバー」や「携帯電話会社の名前」や「PIN」つまり暗証番号などのデータも保存されており携帯電話をロックしたり解除したりする役割もあり携帯電話の 「PUKコード」により携帯電話会社からのプロップを解除するなどさまざまな機能を備えているのです
さらに連絡先や最後にダイヤルした番号まで保存されています
SIMカードで自分の居場所を追跡することができるのか
これはプライバシーとセキュリティの両方に関する問題であり他人に現在地を追跡されてしまうのは困りますが、紛失や盗難の際に自分の電話を見つけるためには便利です。それに子どもや高齢者の行方不明時にも役立ちます。そして現在地の確認は SIMカードだけによるものではないのです。
携帯電話やタブレット、または車などにSIMを挿入し電源を入れると信号を得るために携帯電話の中継塔への接続を開始します。SIMは動き回っている最中に最も強い信号を提供するため一番近い中継塔と更新します。ですので、すべての中継塔には物理的な場所が探知されているのです
電話会社や警察はそのアルゴリズムによりパワーからの信号の強度を知られ検索範囲を大幅に絞り込むことができるのです
電話を探すなどのサービスも wi-fi のデータを使用することによって的確な場所を打つき止めることができます。まぁもちろんそれはガジェットの wi-fi が on になっているときの話ですがこれらに GPSの情報を追加することによりガジェットの所在に関する正確なデータをリアルタイムで取得することができるのです。この状況では GPS は携帯電話のデータプランを使用中でガジェットがオンになっている際にのみ、役に立ちます
ということは完全なプライバシーが必要な場合にはデータと wi-fi を両方オフ
にすると良いでしょう。そうすればSIMの情報だけを使用して追跡するのは困難になるはずです
SIMカードは壊れるのか
SIMカードはこの地球上の他のものと同じように破損したり壊れたりする可能性があり、永遠に長持ちするものではありません。チップが不良品である場合は携帯電話に通知が出るのですぐにわかるはずです
この場合携帯電話会社にも接続することはできません。でもほとんどの最新機種のポートとジャックには防水加工がされているので水によって損傷してしまう可能性は低いはずです
それにSIM自体には常に防水加工がされています
なぜ SIMカードはどんどん小さくなっているのか
最初の SIMカードの形とサイズはクレジットカードと同じくらいのものでした
初期の携帯電話では問題になりませんでしたがモバイル技術が進化し電話が小さくなるにつれて SIMカードも明らかに進化を迫られました。
まあ iPhoneにクレジットカードをはめ込むということを想像してみれば分かるはずです
幸いなことにSIMにも小型化と同時に高性能化が実現されました
最初に標準のサムネイルのサイズのSIMが登場し、「マイクロSIM」が一般化される2010年まではそれが標準だったといえますですが、「マイクロSIM」でさえ無用なプラスチックが多すぎたのです
電話機をアップグレードした人の中にはハサミなどで誤って最も大切な部分を切り取ってしまった人たちもいます
チップを少しでも損傷してしまうと全て台無しになってしまう可能性があるので大変だったようです。
そして2012年「ナノSIM」が登場し余分なプラスチックの部分がない小さなチップが使われるようになりました。古い電話に新しい世代のSIMを挿入したい場合、特別なアダプターも用意されていました
SIMカードの将来
最新の iPhoneのモデルを見れば今後すべての SIMカードがどのように進化していくのか想像がつくはずです
それらは「eSIM」と呼ばれ、埋め込まれた SIMカードという意味です
それらのサイズはらのSIMの数分の1のものなのでもう大きなプラスチックからハサミでチップを切り取ることなど考える必要はありません。
実際のところ従来の SIMカードのようなものではなく携帯のロジックボードに内蔵された小さなチップなどです
チップ上の情報は書き換え可能なので簡単な手順で携帯電話会社を変更することができます
「eSIM」はクラウドベースなのでとても安全。その上超高速で使いやすいものになるはずです
さらに流通コストと設置コストが削減されガジェットのスペースが増えデザインが向上されるので製造業者にとっても有益だと言えます。
水やホコリがライブに入り込むこともなくなるので、携帯電話の穴が一つ無くなるというのは素晴らしいことだと言えるはずです。
ということで新しい iPhone にはすでに2つの SIMカードが大蔵されています。一つは従来の古いタイプのもので、もうひとつは自分の好きな携帯電話会社を使用することのできる「eSIM」です
このシムが一般化する事で煩わしい契約などもシンプルになりそうですね
まとめ
シムはあなたと携帯事業者を結ぶものです。シンプルに月々の契約はこのシムを使うことを意味します。
「新しいスマホ」と「格安SIM」
これからは別々に考えていくことを普通になるのかもしれませんね
コメント