総務省「4」キャリアの「5G周波数」割り当て決定!

MNOキャリア情報

総務省の電波監理審議会は4月10日、同省から諮問を受けた「第5世代移動通信システムの導入のための特定基地局の開設計画の認定」について、原案を適当とする答申を行った。これにより、NTTドコモ、KDDIと沖縄セルラー電話(以下まとめて「KDDI」)、ソフトバンク楽天モバイルの4社は2020年内に「5G(第5世代移動体通信システム)」による商用通信サービスを開始する見通しとなった。

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電波帯域って何?

電波帯域とは各事業者に割り当てられている、使用可能な電波周波数のこと。各キャリアの電波帯域を「使用可能電波エリア(範囲)」と考えると分かりやすい。

5G周波数割り当てに「楽天モバイル」が参入

2019年モバイル回線事業者として「MNO」に参入する事で進められている「楽天モバイル」が、「5G」の帯域の獲得に参入している

4社の5G特定基地局の開設計画

2024年度末までの設備投資額が最も多いのはNTTドコモで約7950億円。2024年度末までの5Gエリアカバー率を示す5G基盤展開率も最も高く、97.0%(全国)を計画する。次いで多かったのはKDDIで、設備投資額は約4667億円、5G基盤展開率は93.2%。

これに対して、ソフトバンクの設備投資額は約2061億円で、2024年度末の5G基盤展開率は64.0%。最も少ないのは楽天モバイルで、設備投資額は約1946億円、5G基盤展開率は56.1%を計画している。

「5G」で割り当てられる帯域は10帯域

今回、5G用に割り当てられた電波帯域

  • 「7GHz帯及び4.5GHz帯」(6帯域)
  • 「28GHz帯」(4帯域)

それぞれの具体的な帯域を見てみよう。

3.7GHz帯及び4.5GHz帯(1者2枠まで開設可)

  1. 3600~3700MHz(100MHz幅)
  2. 3700~3800MHz(100MHz幅)
  3. 3800~3900MHz(100MHz幅)
  4. 3900~4000MHz(100MHz幅)
  5. 4000~4100MHz(100MHz幅)(※)
  6. 4500~4600MHz(100MHz幅)(※)

※ 既存無線局との共用調整を要する帯域

この帯域は「エリア1~4」「エリア5」「エリア6」の3つに分けて開設計画の受付開始。

4社の帯域の割り当て申請状況(かっこ内は希望する取得枠数、帯域番号は希望順で記載)。

キャリア

枠数

第1希望

第2希望

第3希望

第4希望

第5希望

第6希望

ドコモ

2枠

1

2

4

3

5(エリア)

6(エリア)

KDDI

2枠

1

2

4

3

5(エリア)

 

ソフトバンク

2枠

2

1

3

4

5(エリア)

6(エリア)

楽天モバイル

1枠

1

2

3

4

 

 

 6枠に対して7枠の申し込みがあったため、順当に行くと2枠申請した申請者のうち、1者は1枠を得られないことになる。また、ソフトバンク以外の3者は第1希望と第2希望の帯域が重複しているため、この点の調整が必要となる。

28GHz帯(1者1枠のみ開設可)

  1. 27.0G~27.4GHz(400MHz幅)
  2. 27.4G~27.8GHz(400MHz幅)
  3. 27.8G~28.2GHz(400MHz幅)
  4. 29.1G~29.5GHz(400MHz幅)

 この帯域は一括して開設計画を受け付け、以下の4社から帯域の割り当て申請があった(帯域番号は希望順に記載)。

キャリア

枠数

第1希望

第2希望

第3希望

第4希望

ドコモ

1枠

3

2

1

4

KDDI

1枠

3

1

2

4

ソフトバンク

1枠

1

3

4

2

楽天モバイル

1枠

1

2

3

4

4枠に対して4者が申請したため、順当に行けば全者に対して帯域の割り当てが行われる。ただし、ドコモとKDDIは3番、ソフトバンクと楽天モバイルは1番の帯域を第1希望としているため、この点の調整が必要となる。

「5G」電波帯域割り当て結果

総務省は申請キャリアに対し「①絶対審査基準」「②比較審査基準の評価方法及ぶ配点」を提示し、割り当てを行なった
(以下画像は総務省の公開資料より引用)

絶対審査基準

4キャリアいずれも基準を満たしていると判断された

比較審査基準の評価方法及ぶ配点

総務省は各キャリアを申請内容の比較審査を行い、評価点数の高い順に帯域の割り当てを行った

3.7GHz帯及び4.5GHz帯(エリア1~4帯域)

 3.7GHz帯及び4.5GHz帯のうち、他の無線通信の影響を受けない1~4エリアの帯域について開設計画を比較した結果、各申請者の順位は以下の通りとなった。

  • 1位:NTTドコモ(3点)
  • 2位:KDDI(3点)
  • 3位:楽天モバイル(7点)
  • 4位:ソフトバンク(7点)

 結果、NTTドコモには「エリア1」、KDDIには「エリア2」、ソフトバンクには「エリア4」、楽天モバイルには「エリア3」の帯域がそれぞれ割り当てられることになった。

3.7GHz帯及び4.5GHz帯(エリア5帯域、エリア6帯域)

 3.7GHz帯及び4.5GHz帯のうち、「エリア5」、「エリア6」帯域は他の無線通信の影響を受ける。

 「エリア5」帯域について開設計画を比較した結果、各申請者の順位は以下の通りとなった。

  • 1位:NTTドコモ(14点)
  • 2位:KDDI(10.5点)
  • 3位:ソフトバンク(0点)

 「エリア6」帯域について開設計画を比較した結果、各申請者の順位は以下の通りとなった。

  • 1位:NTTドコモ(10点)
  • 2位:ソフトバンク(0点)

 結果、NTTドコモには「エリア6」、KDDIには「エリア5」の帯域が割り当てられた。

5G周波数開設条件

総務省は各者に「5Gの特性を生かした多様なサービスの後半かつ着実な普及」「(伝送路となる)光ファイバーの適切かつ十分な確保」など9つの開設条件を課した。

上記条件に加えて、ソフトバンクには「重大事故の再発防止策の徹底と電気通信設備の安全・信頼性の向上」が、楽天モバイルには「基地局の着実な開設」など4項目が追加条件として課された

まとめ 

  1. 3600~3700MHz(100MHz幅):NTTドコモ
  2. 3700~3800MHz(100MHz幅):KDDI
  3. 3800~3900MHz(100MHz幅):楽天モバイル
  4. 3900~4000MHz(100MHz幅):ソフトバンク
  5. 4000~4100MHz(100MHz幅):KDDI
  6. 4500~4600MHz(100MHz幅):NTTドコモ

3.7GHz帯及び4.5GHz帯については、NTTドコモとKDDIに各2枠、ソフトバンクと楽天モバイルに各1枠が割り当てられることになった。ソフトバンクは2枠の割り当てを希望していたが、1枠のみとなった。

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