2020年1月22日ドコモはいち早く「6G」構想のホワイトペーパーを発表した
まだ、2019年9月より5Gがプレサービスを開始し、商用スタートは春頃となる中、5Gの活用面の認識が、新たな時次世代通信6Gの技術展望を発表した。
6Gはどんなものなのか興味がある方は読み進めてください。
参照元:ドコモホワイトペーパー
ドコモ6G技術展望と概要
6G開始時期:
2030年頃サービス提供開始予定
進捗状況:
2018年
150GHz帯の超広帯域電波伝搬測定装置の開発に成功
・現在(2020年1月)
100GHz超の高い周波数帯の活用を視野に入れた、新たな周波数帯の開拓に向けた研究開発に取り組む
ドコモ5Gから「5G evolution」更に「6G」へ
6G技術コンセプト
5Gの「高速・大容量、低遅延、多数接続」の各性能をさらに高め、高速・大容量や低遅延などの要求条件を同時に実現する
5Gから5G evolutionへ
初期の 5G (NR Release 15)で,3GPP(国際モバイル、、、)において,高大容量(eMBB: enhanced Mobile BroadBand)ならびに一部の超高信頼低遅延通信(URLLC: Ultra-Reliable and Low Latency Communications)を主眼とした標準化が行われた経緯から,LTE と同様,下りリンクの通信度を重視 したベストエフォート型サービスが主に実現された。
5G evolutionでは上りリンク の性能向上を進めつつ,主に産業用途向けに通信品質を保証するタイプの高信頼な無線通信技術を推進していく方向性が考えられる。
大量の映像データのアップロー ドを前提とするサービスや,一定度の通信品質保証が求められるケースが存在しており,上りリンクのカバレッジ・スループットの改善や通信品質保証型技術が,一般向け通信サービスに比較してより重要である。
更に6Gへ
導入予定は2030年となっており、5Gの課題は多くが解決している見通しとなり、新たなユースケースのニーズが創出されると考える
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社会課題解決
- 地方創生
- 少子高齢化
- 労働力不足など
社会課題に対する高速・低遅延通信ネットワークの影響
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- テレワーク
- 遠隔操作
- 遠隔医療
- 遠隔教育
- 車を含む様々な機器の自立運転
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人、モノの通信
- XR(VR,AR,MR)デバイス含むウェアラブルデバイスの高機能化
- 8Kやそれを超える高精細映像やホログラム
- 触覚含む新たな五感通信等の普及
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通信環境の拡大
- 電力や水と同等のライフライン
- 人やモノの活動領域に合わせ拡大(地上・空・海)
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フィジカル・サイバー融合高度化
- サイバー空間とフィジカル空間での大量の情報送受信の高速化
- ウェアラブルデバイスにより、人の思考や行動をサイバー空間からサポート
フィジカルをわかりやすく例えると
【リアル現実】
「現実社会」と置き換えたら
理解しやすいと思います。
6Gに求められる要求条件
6G技術領域
- 空間領域の分散ネットワーク高度化技術(New Network Topology)
- 非陸上(Non-Terrestrial Network)を含めたカバレッジ拡張技術
- Massive MIMO技術および無線伝送技術のさらなる高度化
- 低遅延・高信頼通信(URLLC)の拡張および産業向けネットワーク
- 非移動通信技術のインテグレーション
- 無線通信システムの多機能化およびあらゆる領域でのAI技術の活用
- 周波数領域のさらなる広帯域化および周波数利用の高度化技術
1.超高・大容量通信
仮に【100Gbps】を超える無線通信技術により、現実の体感品質を超える「新体感サービス」を実現できると考えられる
具現化する為にユーザーインターフェイスもメガネ型端末などのウェアラブルなモノの進化がされていくと考えられる
2.超カバレッジ拡張
現在の移動通信システムがカバーしていない「空・海・宇宙」を視野に将来的、目指していく
3.超高信頼通信
現在ベストエフォート型のみならず品質保証型の通信が要求されていくトレンドが 5G evolution および 6G で想定される。産業向けユースの中には、遠隔操作や工場自動化など、必要な(通信)性能を担保することが要求される。
4.超低遅延
サイバー・フィジカル融合において、AIとデバイスをつなぐ無線通信は常時安定したE2E(End to End)での遅延性が基本的な要件になると考える
E2Eの目標値として「1ms以下」をあげている
5.超低消費電力・低コスト化
ネットワークおよび端末デバイスの「超低消費電力・低コスト化」、ビジネスおよび環境双方の観点 から 5G と同様に重要な要求条件である。6G のような未来に向けて,無線の信号を用いた給電技術 の発展によってデバイスが充電不要になるような世界も期待できる
6.超多接続&センシング
ウェアラブルなユーザデバイスや,実世界の映像およびセンシング情報などを収集する超多数の IoT デバイスが6Gの時代にさらに普及していくものと想定され,5Gの要求条件のさらに10倍程度(= 平 方 km 当り 1,000 万デバイス)の超多接続が想定される。
7.技術発展と検討領域
過去の移動通信の世代から 6G までの技術発展は、旧世代で各世代の無線アクセス技術(RAT: Radio Access Technology)に一つの代表的な技術が存在したが,4G 以降から OFDM をベースに複数の新技術の組み合わせで RAT が構成されるようになり,6G でさらに技術分野 が多岐にわたってくると考えられる.これ,OFDM をベースとした技術で既にシャノン限界に近い通信 品質を実現できているのと同時に、前に述べたように要求条件やユースケースがさらに多岐に広がっ ていくためである。
従って,6G で 5G evolution を経て,さらに多くの複数の技術の組み合わせによって,前に述べた ような高い要求条件を実現していくものと考えられる。また、6G の RAT の定義についても今後検討が必要である。
技術的な難しい話となる為、興味ある方はドコモホワイトペーパー後半をゆっくりと参照ください
ドコモ6Gのまとめ
今回の発表のまとめとして4つの注目ポイントを抽出。
- 「複数要求条件の同時実現」
- テラヘルツ波などの「新たな高周波数帯の開拓」
- 「空・海・宇宙などへの通信エリアの拡大」
- 「超低消費電力・低コストの通信実現」
まだ先の話となるけどワクワクですね。
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